低周波騒音問題とは
泥水シールド工事等に用いる泥水処理プラントを構成する機器の一つに土砂脱水篩があります。この篩により発生する※超低周波音が、特に都市部での工事において、隣接する民家等に対し騒音問題を起こすことがあります。大口径シールド工事などで複数台の土砂脱水篩を使用する場合、それぞれの土砂脱水篩から発生した低周波音がうなり現象により増幅されます。
※超低周波音とは、約20Hz以下の人の耳には聞こえない周波数で建具等が振動するほか、圧迫感や振動感を与えます。
この問題を解決する為のシステムが「低周波低減システム」です。
※特許No.2925540号「機械装置の騒音低減システム」
STEP.1 同調制御
1.基本となる振動篩(土砂脱水篩)を1台決めます。
2.その他の振動篩と振動数が同じになるように、インバーターによりモーターの回転数を制御します。
3.各振動篩の振動数が揃えば、「うなり」の発生が抑制できます。
4.各振動篩の振動を※レーザー変位センサーでリアルタイムに検知しておきます。
※レーザー変位センサー
レーザー光の反射によりセンサーと反射板の距離を計測します。
STEP.2 位相制御
1.インバーターにより、基本となる振動篩(土砂脱水篩)に対して他の振動篩の振動するタイミング(位相)をずらします。
2. 位相をずらすことで、低周波同士が打ち消しあう状態の位相へ調整します。
3. 位相制御は、低周波対策地点で16Hzの低周波音を計測しながら、最適な位相を決定します。
4.これにより音圧レベルを減退させることができます。
以上、Step.1、Step.2 の流れにて、弊社の「低周波低減システム」ではレーザー変位センサーにより、リアルタイムに振動を検知し、超低周波騒音を低減できます。
また、オプション機能として以下のモニター表示も用意しております。
・ 基本となる振動篩と他の振動篩が、最適な位相を保ちながら振動している様子。
・ 実際に低周波用マイクと分析器により、計測した低周波音圧。